フランキー堺が最高!
これほど楽しい映画はあるまいと思う。
ストーリーの中に私が大好きな居残り佐平次を中心にした落語の廓噺をいくつかをもってきている。
キャストがまた素晴らしく豪華であり落語好きなら、昭和のスターが好きなら観たほうがいいし、きっと楽しめる。
この映画で佐平次を演じるのはフランキー堺。
これは私の中のイメージ通りの佐平次である。
遊郭で居残りを決め込んでひと稼ぎしようというくらいの人間だから、胆力
知力は優れていなくちゃダメなのは当然なのだけれど、それを愛嬌で隠して
いくにはイケメンすぎちゃダメ。まぁ、イケメン設定の落語の登場人物は少ないけれど、苦み走ったいい男となると文違いの芳次郎っぽくなって遊女の情夫になってしまうから。
新造の清掻と下足札の音、ちょいと浮足立つ夕暮れもよくできていて、
こちらも熱燗(この時期なので冷酒)でも飲みたくなる。
小沢昭一演じる貸本屋の金造もこれまたピッタリ。
さて、映画の中では、若い衆と佐平次の駆け引きは大してないのだけれど
落語の中では、仲間とどんちゃん騒ぎをして一夜明けたところから勘定の
支払いをしてもらいたい若い衆を佐平次が上手く丸め込み、二日酔いを迎い酒でやっつける。
噺家さんによって違いますが
朝の迎い酒に牡蛎豆腐、うなぎの中串に玉子焼き、夕方前に風呂から上がって中トロや貝柱でまた一杯やりというパターンもあれば、白焼きで飲んで、蒲焼で御飯を食べるということも。
二日酔いで鰻というのもなんですが、設定として佐平次は体調がイマイチで
療養とシノギを兼ねた居残りなので栄養をつけるためのチョイスかなと思っています。
しかし、実際はこんなことをしていては、体を壊すだけ。二日酔いが緩和されたなと思うのはお酒で感覚が麻痺しているからです。
朝からか飲む、迎い酒をするという時点でしない人よりもアルコール依存症に
結びつきやすい行動だと自覚しなくてはいけません。
仕事のサイクルで朝に終業するようなら別ですが、休日も朝や昼から積極的に
ストレス解消や習慣的楽しみとして飲み始めてしまうようであれば気をつけ
ましょう。
私は二日酔いになるほど飲むことはありませんが、お昼に飲むお酒が美味しいという意見は分かります。
あれはなんでしょうね、解放感?自由度?しかし、その裏に少しの罪悪感や背徳感があるからこその美酒でもあるなとおもいます。
さて、すっかり暗くなりました。
フランキー堺の佐平次や石原裕次郎の高杉晋作と貝柱で一杯やりましょうかね。