献立表から交換表を作り密告されるの巻
献立表一枚でワーワー盛り上がるのだから、給食はちょっとしたイベントだ。
私はザ・昭和な生まれで「給食時間内に残さず食べきれ!」という嬉しくない制限を課せられた世代だが、家庭では「ゆっくり食べなさい」「苦手なものは無理して食べない」と教えられていたので、そのギャップに苦しんでいた。
私だけではない、食の細い子は食べる時間が掃除の時間までずれ込むし、牛乳が苦手な子は牛乳瓶をまるで位牌を見るみたいな悲しい目つきで見ているうちにチャイムが鳴って、決死の形相で一気飲みをしていた。
レーズンパンのレーズンをどうするか、カレーの人参をどうするか、グリーンピースはなぜこうもあちこちに入っているのか・・・。
ある時、献立表をみて自分の苦手な食材が入っているであろうメニューにチェックを入れていた私を囲んで仲間がそれぞれの好き嫌いを発表して意見交換していたら、その話題が広がった。
で、私は思ったのだ、では、我々が苦手とするものが好きな人がいるのか。
聞いてみると、いた。
乳製品が苦手だが、レーズンと人参が好きな人、もしくは平気な人と乳製品が好物でレーズンと人参が苦手な人、食の細い人ともう一人前は食べたいという人というのは良い組み合わせだと私は考え付いた。
ときには吐く子もいたのに、体質や好みを無視して出されたものを全部食べろというのは違う気がしていた私は、さっそく仲間の得手不得手を解消するような交換表を作成してこっそり活用していたが、密告により先生にばれてしまい監視が厳しくなり終了した。
密告者は平等でなければいけないと思ったのだろうか、ルールに従わなくてはいけないと思ったのだろうか私には分からなかった。
それよりも分からなかったのは、先生の言い分であった。
口に入れたら吐くくらい嫌いなものを食べたり、お腹いっぱいなところに無理して食べることがいいことなのか?という私の問いに
「体にいいから我慢して、努力して食べることが大事だし、食べていくうちに体も大きくなって食べられるようになる」みたいな支離滅裂の返答だったと思う。
結局、私は自分の説を曲げなかったので、体罰を受けて終わった。
大人の人を不憫に思ったのはこの先生が初めてだったと記憶している。
そういうこともあり、給食というものが嬉しさと楽しさだけの記憶でない
私だけれど、それでも楽しみにしたことは確かだし、いい思い出もある。
コッペパンと牛乳を用意して楽しんでみる!!