人生は思い通りにはいかないけれど・・・
料理の場面も食べる場面も少ないけれど好きな作品。
「 恋愛と料理は似ている」とか、
「人生という名の料理はちょっぴりスパイスがきいている」とか
そんな人生訓めいたこともなにもない。
オリンダがレストランをたたむかどうするのか、プレイボーイなオジサマは本当の愛を手に入れるのかどうか、ペーターの旅は終わるのかどうか。
現在、連絡手段は様々に(ある意味面白みもなくなって)あるけれど、文通とか、ポケベルとかメールだけのときがあって、都合が悪いとか急な事情でってときには、ある意味仕方ないで済ませることができたり(もしくは相手が電話に出ないとかメールが返ってくるとかで)諸事情を考え併せて察するということができたけれど、
現在はタイムラグがなさ過ぎて、諸事を考慮するとか、察するということが概ねマイナスな方向へ感情を向けてしまうことのほうが多いようだ。
以前、一緒の仕事場にいた二十歳の男の子は、自分の出したLINEの内容が重かったかなとか、彼女の気持ちがはっきりしないとか
常になにかしらを不安視していながら自家発電なのか、自己啓発本でも読んだのかやたらポジティブになったり、急に
「文字じゃ伝わらないこともありますよね」という、お前のスマホは木簡程度の機能か?と言いたくなるようなことを明るく言ってきたりで気疲れしたものだ。
結局、彼は自分自身や彼女の気持ちに向かいあうことはなかった。
が、この作品のペーターは実にアナログなやり方(公衆電話と電話帳と飛び込みで営業ならぬ人探し)で彼女を捜し、ドラマチックな流れで彼女を諦める決心をさせられる。
予測していただろう傷口に塩を塗りこまれる感じだが、新しいい出会いから立ち直っていく。
ストーリーは大体読めるけれど、温かい気持ちのままラストへむかう。
オリンダとフェルナンデスのパーティーでの会話は、切ないような優しい気持ちになるような・・・・。
オリンダもペーターもだが、フェルナンデスにも私は幸せになって欲しいね。
そう、チャンスは二度あってもいい。
アルゼンチンは、お肉もワインも美味しい国で有名。
お肉の盛り合わせとワインでも用意して、ゆったり観たい作品です。