カリフォルニアロールを食べよう!
厳しい境遇にあるメキシコ系移民のシングルマザーがすし職人を目指す映画だけれど、この映画には文化、伝統、差別などが盛り込まれている。ただ、日本人が感じる寿司職人ってものを想像するとツッコミ入れるところはたくさんあるし、違和感が出てくるのだろうけれど、この映画に出てくるものは、 「SUSHI」であり、私は楽しく観ることができた。
多少の調理の経験があるからといって、下働きをしながら、職人の技を見て覚えただけで「職人」になれるはずがない!!という見方もあるのだろうが、カリフォルニアロールが伝統なんだから何も問題はない。
日本料理を出すSUSHIレストラン的なところでフォナが受ける面接の場面ではオーナーの奥さんが仕事が調理補助といえど、激務であり、体力的にも厳しいよという意味のことを言うのだけれど、これは私も若いときによく言われた。ただ、体力的なこと言えば、同じ見習いから一緒にスタートした男子が先にギブアップすることが多かったので、私の経験上、女性には筋力がつくまでは大変ってくらいのもの。
フォナは体力以上に伝統やら差別に大変な思いをするが、嫌味な職人も大したことはないし、フォナを認めようとしないオーナーも実害を与えるというような気分の悪い妨害をするわけでもない。
フォナは自宅で練習を重ね、試作してすしコンテストに出場するが、このすしコンテストで女性はフォナ一人。 「菓子職人が来ているぞ」と男性の出場者に嫌味を言われたフォナが何か言い返そうとするが、フォナにつけられている担当の女性ADみたいな人が 「臆病ものは無視しましょう」といってフォナをなだめるんだけど、これは的を射ており、見た目や性差別をヘタな嫌味で軽々しく発言する人は臆病者だ。
コンテストの内容はコミカルで観ていて楽しい。フォナが働いたSUSHIレストランのカウンターで仕込みをしながら、職人とオーナーがコンテストの放送を見ているのだが・・・さてどうなりますか。
ニューヨークのデリをコンセプトにしたようなデリカッセンで働いたことがあるけれど、この映画に出てくるようなSUSHIと、トルティーヤをつかったメニューがよく売れていた。久々に作ってみようかなぁ。