地獄でも飲み喰いに注目!!
ブラックコメディーって映画だと設定が無理やりすぎなところがあって、前半で飽きてしまうことがあるのだけれど、アニメだとなぜか楽しめる。多分、私の場合、人間が主人公の映画は、作中に起きるトラブルが突飛すぎて誰かが笑っていても「いや、それはいくらなんでもないな」というのが出てきてしまう。
しかし、アニメだと動物、妖精、神様から異世界の住人までなんでもござれで、あらゆることが可能であるという前提あってのブラックコメディーなので十分に楽しめた。
ホラー嫌いの私も、このくらいなら耐えられるし。
とはいえ、ここでも注目は食べもの!
地獄には地獄の様々な部署で働く獄卒のための社員食堂てきなものがあるのだけれど、そこのメニューはわりとフツーで、そば、うどん、天丼、かつ丼親子丼、すし、エビフライ定食、さしみ定食、さば味噌定食、オムライス、炒飯などだけど、シーラカンス丼やいもりの黒焼き、牛の目玉、三途の川うなぎの蒲焼などもある。最近、UMA(未確認動物)の定食もはじめたようである。
この地獄の食堂は、お茶は無料、玉子は十円、脳吸い鳥の温泉卵は十五円。 ぜんざい、あんみつ、季節の果物を使ったフルーツ白玉みつ豆などデザートもちゃんとあるし、地獄で働く動物たちにはそれぞれの食べ物が用意されているようできっと人気の食堂なんだろうと思う。
厨房設備は、かまどに水甕という感じで古いのだけど、まぁ、地獄なので、火や油にはこと欠かないのだろうなという印象。
地獄にもいろいろとあって、衆合地獄の服役場の門前にある花街は、屋台が出ていたり、お色気込みの割烹があったり、閻魔大王が部下を率いて飲みにくる居酒屋があったりする。この居酒屋さんに置いてあるお酒の銘柄がとてもいい。三途の川、大魔王、般若、八塩折、彼岸花、月ノ酒、竜ノ涙、獄桜、泉津天女、神使鬼毒酒などなど、生ビールはJIGOKUである。
なんというか、ちょいとしたお遊びが楽しい。
祭りの屋台で、うさぎが狸汁を売っていたり、西洋の地獄の王であるサタンさんがやって来たときに持ってきた手土産がEU銘菓のギロチン(多分ケーキ)だったりブラックだけれど、面白い。
社員食堂も美味しく、祭りやイベントも多く、主人公の鬼灯が言うには地獄はブラック企業ではなく優良企業のようですな。
それにしても、鬼灯くんのように有能な能吏が今の日本政府の中枢の方々にいないのは残念なことです。一度、地獄に落ちて研修されるのも良いかと・・・あっ、現実だと戻ってこれないんだった。