守っているだけでは打開できない
去年の緊急事態宣言のときよりも、さらに飲食店にとっては厳しい状況が続いているし、悲壮感ただようニュース多しであるが、テイクアウトやデリバリーによる新しい需要に対応しようと工夫をこらし、どうにかして乗り切ろう、デリバリーの波に乗ろうというお店が増えているのも事実だ。
ホテル内にあるレストランが高級感あるメニューを予約制でテイクアウトを受け付けたりUber でデリバリーできたりするサービスを打ち出したりするは、それだけ状況が厳しいからでもあるが、一定の需要は見込めると踏んでのことで、上手に変化して乗り切っていこうという姿勢である。
【変化で強みが得られる場合も】
私の住む町の近隣の駅のすぐそばに、たい焼きやたこ焼きを売っているキッチンカーがあるが、そのお店がデリバリーをはじめた。駅のすぐそばで、人通りも多く人気のキッチンカーがデリバリーをはじめたのは、ある種の勢いだなと思った。近隣の駅には、たこ焼き屋さんがないのだ。それどころか、地域全体をみてもたこ焼き屋さんはない。
このコロナ禍でも、ファーストフード店の売り上げは堅調である。たこ焼きもファーストフードである。近隣に商売仇がいなければ、それなりに需要はあるものだし、デリバリーもやっているとなれば、新しい客層が広がる。
【お店に来たことがある、お店を知っている人=デリバリーを頼む人ではない】
例えば、居酒屋さんはかなり状況が厳しいが、海鮮丼の種類を豊富に用意してデリバリーで売り出してみるのもいいだろう。リモートだなんだといわれながら、それなりに出勤している人はいるのだから、ランチでの需要が見込めるなら、海鮮丼やその他の丼に的を絞ってみてもいいのではないだろうか。
カフェ、居酒屋、町の小さな喫茶店や蕎麦屋さんまで、来店客が減ったから、デリバリーやテイクアウトには期待できないという考えをもっている人がいるけれど、テイクアウトやデリバリーを頼む人たちは、1度も来店していないお客様が多く存在する新しい客層だと考えたほうがいい。
もちろん、立地などの条件はそれなり影響するだろうが、競争相手の少ないであろうもの、需要が見込めるもの、手頃な価格帯で手間がかかりすぎないものなどをピックアップしてデリバリー用のメニューを開発してみるのもいいだろう。
うつむいて嘆いていても、変化は訪れない。