食通浪人との珍道中
令和になっても無粋な一気コールが残っている場所なんてホストクラブや幼稚な大学生の飲み会くらいでしょうか。騒がしい飲み会の隣の席なんて、嫌なもんですよ。向かいに座っている友人の声も聞こえなくなるくらいだから、ビールを頼むのかチーズを頼むのかを読唇術で判断するはめになります。
そういうときは店長さんに花山大吉のように言ってもらいたいんだけどね
「酒は静かに酌んでこそ、快く酔えるもんなんだぞ!!」
近衛十四郎演じる花山大吉は、浪人なのに食べ物にやたら詳しいだけでなく調理もする。あちこち旅をしての経験か単なる物好きか(笑)
立ち寄る茶屋や宿屋の経営のことを主人が嘆いたりすると、助言をして宣伝文句や売り出す品を考えたり、時にはレシピを教えて作り方の指南をすることもあるというちょいと私と似たような世渡りをしつつ、よろず相談屋稼業する変てこ浪人。
この花山大吉、剣の達人でもあるが、緊張したりすると何故かしゃっくりが出て止まらなくなるという妙な癖がある。しかし、腰に下げたひょうたんからお酒を飲むとあら不思議、ピタリと止まって悪党どもをなぎ倒すというから、酔拳のお師匠さまみたいなもんである。
酒の肴にうるさい花山大吉の大好物はおから。とにかくおからが大好きで丼でかき込むほどで、食べる姿はあまりみっともいいものではないが、おからを酒の肴にしながらだと酒豪っぷりを全開!!作品の中では68人前を平らげてお銚子を40本以上空けたことになっている。
第2話は花山大吉の山菜料理のうんちくが聞ける
この素浪人花山大吉は、素浪人シリーズの前作、月影兵庫と瓜二つという設定(同じ近衛十四郎が演じている)で、渡世人の半次(品川隆二)が兵庫と人違いするところから始まる。まぁ、2番どころか1.1番煎じの作品だが、細かいことはどうでもいい。
花山大吉と半次の弥次喜多道中の面白さは、ほのぼのしていてつい見てしまう
おからと熱燗で一緒に珍道中を楽しみつつ笑って飲めるいい時代劇!