淡々としたお酒の場面のやりとりが、たまらなくいい
食べ物や料理人が主役というわけでもない映画でも、私にとっては立派な 「美味しい映画」になる作品が数ある。
こちらもそのひとつ
小早川家の秋
秋刀魚の味もいいですね~。
小早川家の秋 - Wikipedia
この「小早川家の秋」は、ビールとバヤリースが飲みたくなりますが、一番飲みたくなるのが夏の熱燗またはぬる燗。二代目中村鴈治郎が昔の愛人とじんわり飲むだけなのだけれど、お膳にはキャビアが出たりしてます(笑)
この愛人の役がNHKの朝ドラ「おちょやん」で主役のモデルになった浪花千栄子。冒頭に出てくるBARでウイスキーを飲みながらナッツをポリポリやる森繁久彌も若い!!とにかく出演者がとても豪華です!!
夏の燗酒つながりで「浮き草」も。こちらも中村鴈治郎が今度は杉村春子を相手に飲みます。
浮草 (映画) - Wikipedia
中村鴈治郎、愛人を作る役多いなぁ。
徳利は、もちろん、お膳に乗って出てきます。
色々あっての終盤、ガックリきた中村鴈治郎と京マチ子との駅の待合室でのかけ合いがなんとも優しくていいし、三等車の狭い席に二人がちんまりと座りながら、駅弁を肴に美味しそうに酒を飲み、うれしそうに酒を注ぐ姿というのはなんとも情を感じるもの。
いかにもグルメ仕立てにしたものよりも、淡々とした食の場面が秀でている 小津作品ならではの味わい深さがとても好きです。
夏にはまだほど遠いし、昔馴染みのなんのという話しもないけれど(笑)暑くなったら団扇片手に外の風など部屋に入れて庭の代わりにサボテンなど愛でつつ一本つけてまた観たくなる作品たちです。