ごはんですよ!はレギュラーメンバー
昼過ぎからぐっと冷え込んできて、雪が降るとか降らないとか。
こういう日は、熱燗をちびりとやるのが一番いい。
火鉢をかかえるようにして座っていた祖父が、火鉢で親指の先ほどに切ってある餅を焼きつつ名刺の半分くらいの大きさの海苔をあぶって、餅が焼けたら醤油にさっとくぐらせ、海苔で巻いて食べてはチビリチビリと飲んでいたのをふと思い出した。
時には、団子をあぶってたこともあった。こちらには、刻んだ海苔、海苔がなければ「ごはんですよ!」をつけていたと思う。子供の私にとって団子といえば甘いものでなければならず、餡子やきなこがついてない海苔だらけの団子が美味しいとは全く思えなかった。
しかし、これがなかなかの美味しさなのである。磯辺餅より香ばしさが際立ち、酒の肴にもなり得ると思う。この我が家風の磯辺団子もどきというのは、ちゃんとした商品を真似ているのだ。
男はつらいよに出てくるお店「とらや」のお品書きなどを鑑賞中に気にする人がいるかどうかは知らないが「寅次郎子守歌」で見たときは「磯おとめ」と品書きにあり、これを真似たのが我が家の磯辺団子。作中でみるとお値段100円。ただし、これは1974年公開当時の値段。ぜんざいやところ天も100円で、みつまめになると150円。
そのモデルになった、高木屋さんで現在でも「磯おとめ」は食べられます。
r.gnavi.co.jp
さて、寅さん。この「寅次郎子守歌」の時代、ザ・昭和感あふれている食卓が見れる。食事の時にはテーブルに味の素、ごはんですよ!、茶筒、急須、お味噌汁の入った鍋やポットがなどが置かれて、かなりガチャついた卓上である。
たしかに我が家も食事のときに出てきていた。
おかずの品数が出ているときでも「ごはんですよ!」を食べようとした兄を祖父がしかりつけたときの食卓は嫌だったなぁ。おかずの味付けというのは、やはり食べる人のことを考えて味をつけるわけだから、それを味わうことなく手前勝手に味を変えるなと。つまり、白米で食べるべきおかずを「ごはんですよ!」を乗せたご飯で食べるなというわけね(笑)。
色んな意味で喧しい昭和の食卓が出てくる寅さんで、ほのぼのしようかな。