その安さはなんの味???
わりと何度も偽装疑惑あったと思うが、ホントに気の毒なのは、少ない天然もののアサリを獲る漁師さん。
「アサリ産地偽装は何十年も続いてきた」熊本の漁協組合長が語った偽装の実態|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)
こういうことが起こると、というか長い年月行われていたのだから消費者側の意見としては「騙された」「信じられない」という思いなんだろうなと。 もちろん、違法の畜養期間で出荷するという行為は違反であるが、それを分かったうえで発注をかけている問屋もより安いものを仕入れ、国産というある種の信用を上乗せして売っているわけだから厳しく罰せられるべきだと思う。
あさりは、輸入しても国内での正しい畜養期間をクリアすれば食品表示としていまのところ国産で問題ないとされているのだから、どうしてその手順を踏まなかったのかと考える人もいるだろうが、漁場を貸した先が違法をしている場合、罪の意識というものはあれ、痛さが伴わないので暮らしていくためには仕方ない、ということになってしまったのだろう。
いちいち手間をかけて育てても「安くなければ売れない、買わない」という状態が続くと、漁業者は大変だ。ほかの生産者さんもそうだが、売れなければ、ハンカチ一枚家族に買ってやれないのだから。
だが、つい最近から偽装や違法行為がはじまったわけではない。
つまり、シンドイ状態が長く続いていた漁民の人々のことを、県がまったく知らなかったということがあるのか???もしそうだとしたら、ずいぶんつれないやり方だと思う。
違法業者に貸し出した漁業場の収入にすがるほどにシンドイ思いをさせておいても、新たな販売戦略や商品の製造など漁協と一丸になって県が戦ってくれたという話しは出てこない。
シンドイ漁師をやるのはお前たちの勝手という態度では、結局のところ何も解決しないから、長々と偽装が続いてきたわけで、消費者のことを考えて偽装業者をあぶりだすといわれても、正しいことなんだろうけれど、もっと前に打つ手があっただろうにと思ってしまう。
昨今、食品は原材料の値上げが続いている。
その中で「安い」とはどういうことなのか?という自問を消費者側も持たなくてはいけない。
「安さ」に微力を傾け続けることで、自分たちの食べ物の出どころさへよくわからないというリスクを抱えたり、大量の添加物を摂ったりしてしまう。
食品偽装はもちろん、残業カットに過労の自殺まで、今までもニュースで報じられてきたように、無理なコストカットや、「安い」がゆえになんとか利益をひねりだそうと(人件費の削減などもそう)することが根っこにあるわけで
「安い」は、上手なコストカットだけで成り立っているわけではないよと。
安くて、質よし、美味し、それに安全までついてきているなんて、あればそれは喜ばしいことなのかもしれないがけれど・・・。
適正な価格で買わなければ、社会や経済は当然のこと、食の安全なんて守れるわけがないのです。