夏の大根こそ大根おろし
夏になると大根おろしが食べたくなる。

「大根おろしは好きだけど、夏の大根は美味しくないから」
そういう人もいるけれど、私はその辛味も好きだ。
冬→春→夏の順に辛味は増し、もっとも大根の味がよろしいとされる秋冬は、大根がよく食卓に登場する季節。煮物に最適。春になると、漬物やサラダ、大根おろしと生で食べるのに向いてくる。さて、夏だけれど、食感がこりこりしてきて、辛味マシマシ。
「カタいし、辛いし」なわけですが、大根おろしにする場合、葉のついた青首のほうが辛味が少ないので、そちらを利用。食べるちょいと前に大根おろしを作りたくなるけれど、そこを小一時間前に準備することで辛味も軽減されるので、辛いのが苦手という人は、青首側を使って、食べる1時間前にゆっくりとおろした大根おろしを作っておくとよろしいかと。
夏大根を冬大根のようにして食べようとするとやはり美味しくないし、炒め物という手もあるけれど、味付けのタイミングによっては水分が出てべちゃっとしてしまうので要注意。そうなると、私は大根おろしが一番だと思う。
せっかく体にいい辛味成分(イソチオシアネート)なのだから、それを楽しみながら食べたい。
「甘くてほっこり」とか「瑞々しくてシャキシャキとした歯触り」とか、歯が浮くどころかアゴごと浮いて飛んでしまいそうな、おべんちゃらなんて大根には似合わない。かて飯というものがあるけれど、これは白米だけを炊いて食べていたんじゃ量が足りなくて家族みんなにまわらないってような時に食べられていたもので、米以外の穀物や野菜、海藻などを一緒に炊いたもの。
このドラマで有名になった、かて飯の代表格「大根飯」
大根は、明日を生きるために糧(かて)をマシマシにするもので、上品な甘さがもてはやされるような生っ白いだけの野菜ではないのだ!
しらすおろし、玉子焼き、玉子かけご飯、冷しゃぶ、肉、魚はもちろん、夏野菜料理へのみぞれかけもとても美味しいし、麺類とも相性がいい。
夏の料理の糧(かて)のと栄養を増す夏大根、お陽さまにあたっているので、ポリフェノールもあるし、辛味とだけでなく苦味も楽しめるよという方は、皮ごと大根おろしにして食べるのが、栄養面からもオススメですよ!