不正の指示や処理が通ったことがおかしい
ずいぶん前だが、食品偽装問題がニュースになっていたことがある。その中で、あるホテルが牛肉の生産地を偽装していたとして処分をうけたが、こういうのは、現場で実際に料理を作る人間からでるよりも、目先の利に欲が走った金勘定をする人間からの指示という場合が多いものである。
そういう決断をくだす人間にとっては、お客様は単に単価でしかなく、従業員はその単価を稼ぐロボットくらいにしか思っていないのである。
「損しないから、とにかくやればいいんだよ」である。
今回の名代富士そばの休業水増しは実務を統括する役員からの指示であり、深夜営業にもその水増しを使おうとしていた。 こういうカラクリをうまく使いこなそうという輩は目先の損得で、動くので、結局のところそれ以上の損害を与えてしまうことになる。
指示を受けた社員がはいはいと聞き入れていたら、もっと大きなことになっていたであろうことは明白だが、指示をうけた社員が
「指示通りにすると雇用調整助成金の不正受給につながる」と、別の役員に指摘したところだ。
なぜ、当の指示を出した役員に指摘しなかったのかである。
「それ、ちょっとおかしいですよ、水増しですよね」と指示を受けた社員がその場で指摘しなかったために、次は深夜の営業での休みの水増しをメールでしている。
つまり、風通しが悪いのである。
部下がおかしいと思うことや、疑問に思うことを直接言えないということが、この役員の日頃をあらわしている。
実務を統括する役員とはいえ
「タイムカードを押すな、でも出勤扱いで給料は出すから」というのは、パッと思いついて出来ることではない。どのようなカラクリにしたら損がないのかを考えたうえでのやり口であり、結果的に勤務記録の不正な処理は中止されたにせよ、不正な処理を指示できたというのもおかしな話しではないか。その処理は誰が引き受けたというのだろうか。
しかし、このように圧力ばかり強く、目先に走る人間を現場に指示できるような立場に据えると
マジでロクなことはない!!
不正を指示したりはしないまでも、無駄な目先の欲得で現場に下手な指示を出して現場が迷惑するのが関の山である。
しかし、ある一定レベルの風通しの悪い現場や組織に育ってしまうと組織内だけではどうにもならないこともある。大事なのは、歯の健康と一緒で、予防が一番大事。
人材って大切ですよ