喜びに繋がるサービスは割引ではない
ここ数年、割引クーポンがあふれているというより、割引クーポンがあって当たり前になってきていますが、割引やサービスはお店にとって、次につながる、お客様の喜びに繋がる使い方をしなければ、短期的な効果しか得られずお店を苦しめる原因にもなることも多いのです。
A 割引やサービスはお客様の再来店を促すもの
B リピートしてくれたお客様に喜びの特典があるもの
C 席を用意できなかった時に次回提供するサービス
D 料理の提供の遅れや提供ミスに対するサービス
E 記念日や誕生日での来店に対するサービスや特典
オーナーが店長である場合などは、D、Eあたりは、その場の機転、察知力というもので柔軟に対応できるものですが、Dは問題の解決や適切な対応のほうが重要になってきます。
店側のミスに対して謝罪の一部としてサービスをちらつかせるような接し方をスタッフにさせてはいけません。
Eに関しては、事前に予約時等にお客様から情報として分かる時と来店して食事中などにお店側が気づく場合があります。
お店側が気づいた時のサービスはいくつかパターンを用意しておき、アルバイトさんパートさんだけのときにもサービスが提供できるようにしておくべきでしょう。
結婚記念日できている60代の御夫婦とお子さんの誕生日で来ている4人家族とその仲間では、喜ばれるサービスの内容も違ってきます。
お祝いのグラスシャンパンなのか、最後のデザートなのか。
食事の最初か、もう食べ終わりそうなのか、観察力と察知力をいかしましょう。
例に出した60代の御夫婦は、食事の終わり近くに記念日の食事であることに気づいて私がデザートをと申し出たのですが、満腹だと丁寧に断られました。
こういうときに押し付けはいけない。では、どうするか?
「では、お二人の誕生日にはぜひお祝いさせてください」といってお名前をうかがっておくか、次回来店時ドリンクやデザートのサービスがあるクーポンを渡すか。
どちらがハッピー感があるだろうか?
私は前者を選び、お二人は誕生日の日に来店してくれましたが、それは、お孫さんの誕生日のお祝いでした。
ご夫婦は、お孫さん、お子さんの誕生日や記念日のたびに来店してくれました。
喜びを縁とすれば人に、得を縁とすれば小銭に繋がる
これは私の実感であり、戒めを含んでもいます。
観察力、察知力、割引などについてはまた次回に。