ほたるいかを炙る
少しく涼しくなってきて、ぐびぐびビールを飲むよりもゆっくりジンワリと
ぬる燗でもいただきたい夜。
しかし、おでんにも煮込みうどんにもまだ早い。湯豆腐はいつ何時食べても
美味しいけれど、まだ冷奴にも未練がある。
落語を楽しみながら一合ほどのお酒をゆるりと飲むときに、ちょっとした
肴がほしい。
私はイカが好きだが、落語を楽しみながら刺身を食べる気もしないので、
小さなコンロあたりを用意して、イカの干し物を炙りたい。
ちりちりと反りかかるのをさっさと返しながらがふんわりと香るお酒を一口。
子供のときに火鉢を囲んでお酒を飲む祖父と父を見ていて思ったが、本当に
楽しそうに、真剣に頃合いをみてスルメをちりちりやっていた。
遺伝しているのだろうか。
お楽しみの落語は、
YouTubeで文楽の夢の酒か船徳か、馬生の親子酒かさてどれにしようかな
金原亭馬生(十代目) - 親子酒
文楽も馬生も上品でいいなぁ。
馬生は酒仙でもあったそうだが、それが原因で50代半ばで亡くなった。
百薬の長か命を削る鉋か・・・
飲むほどに酔うほどに飲みたくなるというのがお酒だというのは嘘であり、
単なる麻痺を起こしているだけなのだが、そのように判断する人は麻痺して
いるのであまりいない。
適量は個人差があるけれど、適量以上の飲み方をすれば体に悪影響を及ぼすか
人間関係に悪影響を及ぼすわけだけれど、酒豪の人でもピッチが速くて
後半グダグダな人は大体迷惑をかけることに。
「これくらい飲んだら完全に酔う」という量を把握するよりも、ほろ酔いの状態でやめておくという方が身のためである。
「酔って」やめるのは判断や意志がゆるゆるなので難しいが「ほろ酔い」を
自覚したらピッチを落としてやめておくか、ほろ酔いの量を把握してその
分量を楽しむほうがいい。

酔いの具合が分かる一人酒盛り
枝雀落語 292 一人酒盛
お酒は楽しく酔い覚めは爽やかに!!
