我が家から車で15分ほどの駅は、駅前商店街にデリカッセンや通常からテイクアウト専門のお寿司屋さん、焼き鳥屋さん、たこ焼き屋さん、唐揚げ屋さん、そして多くの飲食店が隣接してならんでいる。
駅ビルの中には、総菜が豊富なスーパーがあり、さらにチェーンのファーストフードが2店舗入っていてその周りにはコンビニが。
コロナ以前からテイクアウト専門の焼き鳥屋さんは、通常週に2日ほどお店を開ける。味、質、量ともに良いので行列が必ずできる人気店であり、通りの向こうにはデリカッセンがあり、主に焼き鳥、唐揚げ、鶏もものグリルなどをお手頃価格で売っている。
そこから10秒も歩けば、テイクアウト専門の唐揚げ屋さんがあり30秒歩くとKFCがある。
もう鶏だらけ。
そこに、焼き鳥と串焼きを主に扱う居酒屋さんが、最近テイクアウトで参入してきたのだが、店舗前に並べているのは焼き鳥、揚げ物、チキンカレー、そしてチャーハンなどのご飯もの。目の前には、中華、ラーメン屋さんが営業しているので、チャーハンはなかなか売れないのか、高く積まれたままだった。
自粛でステイホームが望ましいとはいえ、駅ビルへの買い物には皆さん行き来する通り道なので、目にはつくものの、既存のテイクアウト専門店やデリカッセンにお客さんはいてもこの焼き鳥屋さんには、誰も寄っていかない。
私は買ってみたし、店員さんとも話したのだが、どうも的外れな商品が多い。
焼き鳥串焼きは通常ならこのお店の人気のメニューでうりなのだが、焼いて随分経ったであろうしょぼくれた感がパックから出ており、これでは誰も寄りつかないはずだと思った。
急場しのぎだから、とにかくパックに詰めてと思ったのだろうけれど、本来どれも美味しいお店だけに残念であった。
既存のテイクアウト専門のお店やデリカッセンと競合しようとすると、この焼き鳥屋さんにはバリュープロポジションがなくなる。
それどころか、しょぼくれた焼き鳥を並べているように見えるぶんコロナが終息してもマイナスなイメージがついてしまうかもしれない。
こだわりの○○というのは、この場合、競合相手の土俵での戦いだから他店との差別化の大きな要因にはならないのだ。
この焼き鳥屋さんの場合は、やはり出来立てのお店の味をうりにするべきで、そのためにも、チカラを入れる方向を間違ってはいけない。
少量のつくり置きはあってもいいが、アピールしたいのは、
テイクアウトはその場で予約をしていただければ、こだわりの味をアツアツの焼きたて出来たてでお持ち帰りいただけます!
お買い物へ行くときにご注文くださいお帰りにあわせて調理いたします。
盛り合わせ等のご注文も承ります!
というようなことだ。
この駅周辺は、駅直結のマンションがあり、戸建ての住宅も多いので、盛り合わせなどの予約をデリバリーしてもいい。
そして何より、その業態でやってますよとお客様に知ってもらうこと。
変化したとて、その変化が知られなければ、頑張ったけど報われないと嘆くだけの
的外れな自己完結劇場!!
なんとかしなくちゃと思って、単にこれまでのメニューをパックで並べていても競合が多ければ 労多くして功少なし!
チャレンジを無駄な労力で終わらせてはいけません。
お店の強みを活かしテイクアウトにも一工夫して、
このコロナ禍を乗り越えていきましょう!
《お客様から見たバリューの視点を活かす》
