仕事のポイントをしっかりおさえる
しかし、ポイントの違うところにグイグイと力を注ぎこんでも、注ぎ込んだ人(注ぎ込みたかった人)の満足感は得られるかもしれないけれど、その分の成果が継続的に得られることは、すごく少ない。
調味料の置き場所から、調理器具の置き場所、並べる順番にいたるまでセットしておいて、その順番が違ったくらいでミスとなるようなギリギリの作業の効率化をして作るものから得られる利益がどの程度のものであるのか。
その利益がごくわずかで、しかもオーダー数がそれほどでないなら、単にキリキリしているだけだし、オーダー数は入るが利益がわずかで、それをこなすために突き詰めた効率化をしなければならないなら、そのメニューはスムーズさを奪っている。
昼食時、あるお店に入るとメニューに「プラス〇○○円で小鉢三種類のうち一つつけられます」と書いてある。
小鉢を付けて頼んだものの、厨房をみているとその小鉢のために作業の流れが一旦ストップしてスムーズさを欠き、予期していなかったのか、温めなおしをしている。
こういう光景は新規のお店に多く、サービス、バリエーションという意味で、何かをプラスすることで喜ばれるという視点に立ったやってしまいがちなことです。
ランチタイムにお客様が次々に来てオーダーが重なるとその小鉢のせいで少しずつ提供時間がずれ込むことになる。メインでなく小鉢で時間をロスしてしまうわけです。
小鉢にどの程度の作業的、時間的コストがかかるのかを無視して、何かをプラスすることに力を注いでしまった結果です。
スムーズさをチェックしてみる
スムーズさを目指すと提供のスピードも上がり、厨房内の作業でのストレスが軽減され、ミスや怪我も減ります。
スムーズさは余裕を作り、その余裕はお客様の満足度を上げるために使えたり、従業員の働きやすさや、ミスの軽減にもつながるものですからこのスムーズさを減らしてまで取り組むのであれば、それなりの利益が上がるものであるべきでしょう。
効率もスムーズさも、最終的にはお客様に繋がっていくものです。
コロナウィルスで厳しい状況のお店が多いでしょうが、こういうときにお店の効率やスムーズさの見直しをしてみることも後々の収益改善のヒントにつながります。
ズレたポイントに力を注いでいないか、それがストレスになっていないかよくチェックしてみましょう。