忖度で消耗してたら仕事は雑になるよ
飲食でも他の業種でも、アルバイトさん、パートさんの人数が多い職場で、 人間関係の妙なパワーバランスが出来る原因に
なくてもいい曖昧な忖度やルールが、あります。
みんなで和気あいあい、家族のような、何でも話せる職場にしていきましょう というようなスローガンを掲げているところほど、仕事の割り振りにも妙なパワーバランスが存在していて派閥などがあったりします。
さらに古典的悪趣味な「みんなで主義」のある職場になると、
朝はみんなでお茶をする。そのお茶は新人さんか気を遣う人が入れる。古参の人は入れてもらうのが当たり前のように座る。休憩も似たようなもの・・・・遠目から見れば、皆で仲良く休憩に見えるかもしれませんが、実際はなくてもいいパワーバランスや気遣いで成り立っていて、一片の和気あいあいさもないものです。
こういう職場というのは、ちょいとスピリチュアルな言い方をすると、人の「気」というのが淀んでいる感じです。とても風通しが悪い。 しかし、人間慣れてくると分からないものなのか、その日の仕事がなんとか済めばいいのか、現場の責任者さえ色々とおかしなことに目を瞑っていることも多いようです。
ナメクジ騒動があった中華チェーンのあるお店がフランチャイズ契約解除になり閉店とのニュースがありましたが、店長や責任者の怠慢と慣れの結果でもあるなぁと思いました。
ただ、店長や責任者が初めから怠惰で問題に対して目を瞑る人間性だったのかというとそこは疑問がつきます。経営者側にも問題があるでしょう。 このナメクジ告発をした人物も
「従業員を人とも思わない会社を許せなかった」と、ある週刊誌にも話しているように、どのように人を扱うかというのは、職場環境や仕事内容に大きくかかわってきて、時にはそのことでお店が大きな危機を迎える結果にもなります。
働いている従業員たちが、忖度や人間関係の気遣いで消耗することなく仕事に集中してくれること、ミスを未然に防ぐことに気を向け、ミスが起こったら最善の対処をすることに全員が協力すること。
ミスを未然に防ぐにも、ミスが起こった時に最善の対処をするにも、全員が共有して成果をあげるのは、小さなミス(失敗)です。
飲食店、食品会社などでニュースになるような展開になる原因を作るのは、この小さなミスを隠そうとする職場環境をつくることです。ミスをするな、ミスを許さないというのは誰にでも(怠慢な責任者にも)口にすることが出来る、最も気負担なわりに効力のない言葉です。
そして、この小さなミスや何だかおかしいなと思える出来事を隠蔽する体質を育てる土台は「みんな主義」であったり、「人間関係の変なパワーバランス」であったりします。
仲良く、みんなでという考えや方針は、表面上のなれ合いを意味していて、仕事を効率よく進めるにも、仕事に集中するにも、気疲れしない職場を作るにもあまり役には立ちません。
Aさん「休憩時間はお店でとらなくてはいけませんか?」
Bさん「休憩時間はみんなで食事しなくてはダメですか?」
以前、あるお店のアルバイトさんの面接で受けた質問ですが、Aさんは本が好きで、休憩時間には本屋に行きたいということでしたし、Bさんは賄いを食べたくないときもあるし、たまには外に出て公園でお弁当を食べたりもしたいと。
もちろん、どちらもOKしました。
仕事は協力して効率よく、仕事以外のことは各々が気楽に過ごせることが一番です。集中して欲しいのは、仕事であって、誰かに気を遣うことではありません。
「人間関係も大事だよ」
これは、私が20代のときに上司に言われた言葉でした。
私は、この上司の元で働く人々の足の引っ張り合いや陰口の多さにうんざりしていました。そのくせに、この人々は「旅行に行きましたお土産です」とか「みんで始業時間までお茶します」とか「○○さんがくれたリンゴをむきました」とか、仕事以外での活動がアホみたいに多く、離職率も高いのに、それを「よき人間関係」と上司は思い込んでいたのです。
私が別部門の責任者になったときに、一番勉強になった反面教師でもありますから、ある意味、感謝すべき人です。
エネルギーを人間関係にとられていては、仕事も雑になって効率が良くないのは明白ですし「協力」と「表面上だけ和気あいあい」は全然違います。
忖度を言外に強要しているような「みんな主義」は曖昧でダークなルールを作ってしまいがちです。風通しのいい職場作りというのは、経営者側も働く人も恩恵があるものなのですから、
誰かに気を遣わせてる、無駄に消耗させてるというような曖昧なルールは、 なくしてしまうことをオススメします。
私も過去の経験から、著者の考えには大いに共感するところがありました。