日活のスターで呑む
主人公が銀座の洋食屋の長男で、フランス帰りでレスリングの選手で、そして江戸っ子という設定で、しかも料理なんて出てこないの
だけれど好きな映画。
1960年代の銀座の風景だが、ヘリコプターでチラシをまいて
いるのでそれよりも前なの設定なのか。
まだ埃っぽさがある東京銀座で出てくる車や生活雑貨がどれもおもちゃみたいで癒されるし、ちょっぴりロマンティックなシーンで
登場するグローバルラジオは観た人は誰もが気になるかと思う。
まだギリギリ日活も元気だった頃なのだろう、石原裕次郎と二枚看板だった小林旭が主演で浅丘ルリ子ともども健康的で爽やかで、輝いている。
オープニングがコミカルでとてもよく、そのときに主人公の父親が岡持ちをもっていて、近くなら出前いたしますというのは、町の洋食屋さんにも喫茶店にもあったなぁという記憶が蘇える。
父が知人の事務所に私を連れて顔を出したときに近所の喫茶店から珈琲の出前をとっていたことがあり、トレーに頼んだ数種の珈琲と私用のソーダをのせてウェイターの人が軽やかなステップで階段をあがって登場したときには
「大人になったら、喫茶店から出前をとろう!」という小さな夢が
うまれた瞬間でもありました(^-^)
この「東京暴れん坊」は、深刻な場面がなく(いや、現実的には深刻でもさらっと爽やかに軽やかに解決)ユーモラスでとても好感がもてる作品。
若かりし小林旭と同様にスキッとキリッとした白ワインでフレンチフライでもつまみながら観たいものです。