カリスマの視点
「俺のまわり見たら、みんなイエスマンしかいなかった」
成功は手に入れたがハッピーでないと感じたときに、若かりし矢沢永吉は冷静に分析した。このあたりが、スーパースターたる所以だろう。
上り調子の時に図に乗るのはホント簡単だが、一度イエスマンに囲まれて
疑似カリスマの味をしめてしまうと冷静で客観的な意見を受け入れることが難しくなる場合が多いようだ。
トップが「みんなの意見を聞きたい」といっても、イエスマンばかりが周りにいたら結局はトップの意向通りにことが運ぶ。
イエスマンは何も考えていないようで考えている。そう、絶妙の保身だ。
トップが考えた企画が失敗しようが、商品が売れなかろうが会社の業績として良くなくても、実害が自分になければ平気でいる。
いや、多少実害があっても平気でいられるのがイエスマンである。
トップが聞き耳持たぬ
【猪突猛進タイプ】や【俺のいうことだけ聞いてりゃいい】タイプだと
このイエスマンを自ら育ててしまうことになる。
さらに、どの分野でも自分が優位でないと気が済まない幼稚なタイプは、
部下に気を遣わせつつ部下のやる気を削いでいくイエスマンメーカーだ。
このイエスマンメーカーを現場の責任者に置くと、多くの場合、取り巻きのようなイエスマンが集まり現場を牛耳って風通しの悪い職場が出来上がる。
一定期間が過ぎると、このような現場の空気の入れ替えは、ちょっとした引っ越し並みの労力がいるようになる。人員の採用からシフトまで意見が優遇されるのは牛耳るイエスマンたちになり、不都合なことは握りつぶされやすくなる。
現場から遠い経営者や人事、人間に疎いエリアマネージャーなどにはイエスマンメーカーが壁になって現場の不満や現状が伝わらず、人材配置のミスから間違った評価をしてしまい、有望な人材を手放してしまうことも起きる。
いつかどこかで必ず人材配置のミスは表面化してくるが、時間が経てば経つほど問題の根は深くなる。
これを避けるためには、デンタルケアのように予防が一番である。
イエスマン的な人材がプラークのように溜まらぬよう、細かい歯ブラシを用いて責任者以外の従業員の意見を公平に聞く機会をもち風通しを良くすること。
特別にではなく、常に当たり前のようにだ。
このようなアプローチをするだけで、イエスマンたちの結託を避けられるようになるし、様々な意見から有益な方向性や有用な人材を見つけることもできる。
規模が小さければ、経営者自身が取り組んでもいい。
耳障りのいい、居心地のいいイエスマンが周囲にいれば、一時は気分を良くしてしてくれるかもしれないが、それは一時である。
それがハッピーには繋がらないと見抜いた永ちゃんに学ぼう!
ヨロシク!!!