中年男2人組みの冒険物語
もう随分前になるが、有名なゲイバー「ピノキオ」で働いていた方が一人でやっていたお店で食事していたときに、私の隣にいたお客さんにママさんが
「男はね、50からが面白いのよ」と言っていた。
男性に限らず、ちょっぴり健康診断の数値が気になるとか、最近やたら胃がもたれるとか、なんとなくパートナーが冷たいとか、色々と停滞気味に感じるお年頃でもあるのだろうけれど、それ以上に自分にも他人にも人間としての面白味(それには哀愁的なものも含まれているだろうけれど)を感じることが多くなった気がする。
私の大好きな上岡龍太郎さんも「気持ちは常に27才」といっていたし、ヴィヴィアンウエストウッドのパワフルさはどうだ。
いや、年齢の話しではなかった。
グルメと中年男2人組の話しである。
この2人が、レストランでの食事中はもちろん、旅の移動中にも繰り広げるくだらないモノマネ合戦やらユーモアにあふれた会話はワイン片手に気楽に楽しめる。
旅での絶景、素晴らしいホテルも観れる
オッサン度が増してロブの後頭部が心配だが、レストランのテラス席で陽をあびて二人の話がスティーブの恋愛話しからミック・ジャガーのモノマネ合戦へと話が広がっていった後に、
「50代はあらゆる点で最高の年頃だ」とロブが言うのだ。
私はロブと同じように白ワインを飲みながら観ていたが、これから経験する50代が最上の年頃であったと言えるようならいいなと思った。
この「スペインは呼んでいる」で一番笑ったのは、「ハンパなナチだ」とロブがスティーブの動きをみて言うところ。
どんな動きかは観てのお楽しみ。
ユーモアと友情にあふれたロブとスティーブのグルメ旅、お楽しみあれ。