愛しい場所で過ごす人生
コロナで自粛、外出もできないというのでストレスがたまるのか気が緩むのか
そのうちどうでもよくなってきて、コロナも他人事に思えるのか外の広い場所ならよかろうと、休日に山や海に出かけていく人がいるらしくある地域は観光客で交通渋滞がおきたそうだ。
こういう時は、家で遊ぶ、家で楽しむ、家を愛しい場所にしてしまうのがいい。
うちから5キロほどの散歩ルートを回ると休日の天気のいい日は、外壁の塗り替えや庭木の剪定、草むしりなどに取り組んでいる人が目についた。
同じマンションの方は、ベランダで何か育てようとしているらしく、プランターを運び込んでいた。
愛でるものは、別段遠くになくていい。揺れ香る小さな花でなぐさめられることも多いのだから。
かくいう私は、昼は読書やDVD鑑賞、夜はずいぶん前にいただいて以来、愛用している家庭用プラネタリウムが自粛のお供。毎日気分はキャンプ。
部屋の天井に流れ星。お願いしまくりである。
愛すべき場所が家の中やベランダ、庭にあると出かけなくても楽しめる。
映画「モリのいる場所」は、30年間ほとんど外出することのなかった画家 熊谷守一が主人公。
主人公を山崎努、妻の秀子を樹木希林が演じている。
脇役も素晴らしい。
この映画は、スタートから美味しそうなアジの開きが七輪の上で焼かれている美味しい映画でもある。
生活感があふれ出る台所、ぬか床、三人で食事する場面では、主人公モリの特殊な道具を用いた食べ方が面白い。
カレーうどんを食べながらドリフターズの話題、タライの演出は賛否あるが、あれでいいと思う。志村さんが亡くなった後だけに、あのシーンは公開時に観た時より感じ方が違ってしまったけれど。
テーブルをくっつけて縦長になって屈強な男達が瓶ビールや徳利をならべてワイワイ囲むすき焼きのシーンは、料理は晩餐感があっていい。
「生きるのが好きなんだ」というモリの言葉、それは美味しい食事にも支えられていたと思う。
外出の楽しみにこだわって、ウィルスの運び屋になるよりも、生活の場所に工夫をこらし、新しい趣味や遊びや学びをとりいれて自分の、家族の愛しい基地作りをしてみるのもいい。
基地で食べるご飯は美味しいよ!