仲間と食べたあの味は・・・
小さい頃はある駄菓子屋さんの常連だった。駄菓子屋さんに行けば誰かに会う。
誰かに会いたければ駄菓子屋さんに行く。駄菓子屋さんのおばあちゃんも
よくそのあたりを分かっていて、
「○○ちゃんは、今日はピアノの練習が終わってから公園に行くって
言ってたわよ」と伝言板みたいな役をやっていた。
いくつか思い出のある駄菓子をならべてみよう。
切ないお菓子の名前で憶えているのだが・・・
サザエさんでも「鍵っ子」が出てきたことがあるけれど、首から家の鍵をぶら下げて大人気どりのカツオはイマイチであった。
キャラクターは笑っているけれど、鍵っ子はしんとした家に帰っていくのだから、寂しいのだよホントは。
おにぎりがあればトンカツ定食な気分にも・・・
これは駄菓子の中でも食事よりであり、メインがはれた。
私の買っていたのはこのパッケージではなく、もう少し素朴な感じのものであったと思う。
これとおにぎりとコーラを持って、補助輪付きの自転車で仲間と小さな冒険の旅に何度も出かけたことがある。
高確率で迷子や生傷が絶えない冒険だったが、ビッグカツをみかけるとその冒険心が懐かしくつい買ってしまう。
兵糧感覚で買っていたのがこちら
これも冒険のおともだった。餅が入っているわけではなく、塩味の
あられとピーナツが入っている。
ピーナツが2個入っていると、ラッキーな気分になれた。
ピーナツ2個・・・子供はみんな幸福体質なんだよね。
口笛吹いて空き地に行くなら・・・
冒険といえば、口笛。
空き地や草原で笛も吹けるし、食べることもできる。
単にガムが食べたいというだけなら、味の豊富な違う種類のガムを
選ぶのだから、笛が吹きたい!!という情熱が強い子たちがこの
フエガムを選んでいたと思う。
縦笛だと不器用で下手でどうしようもないS君が、フエガムでアニメのオープニングを見事に吹いたりしたときには皆がスタンディングオベーションだった。
子供の頃は、数字にできない才能のほうが友達受けはいいものだ。
アフタヌーンティーよりも洒落ていたものさ
出かけた先でも水筒があれば気軽にカラフルなジュースを飲んでいた。
味がどうのというのはなく、もう単に甘くてフルーツの味がついていればいいという感じではあった。
仲間でゴージャスなおやつタイムを楽しむときには、アイスクリームにこの粉をかけて食べた。マリアージュだのなんだのと気取った言葉を知るはずはないが、どの時代の子供たちも常にプリコラージュする力を持っているものだ。
隣駅のスーパーには、懐かしい駄菓子をたくさん並べているコーナーがあるが、やはり、駄菓子屋さんに集まるというのが楽しかった。
駄菓子屋では、その駄菓子屋さんのルールに従ってお菓子を購入。どこの公園で
屋台が出てるとか、どこの通りで縁日があるとか、あそこの細い裏道にはハチの巣があるから通らないほうがいいとか、W君はしばらく外出許可がでないから、呼びにいかないほうがいいとか情報交換も出来たし、仲間内でお菓子を分け合ったり、組み合わせたりという楽しみがあった。
私の行きつけの駄菓子屋さんは、仲間はずれ、横入り、いたずら禁止だった。
どれにしようか迷っている子供を飛び越して大人がお菓子を買っても叱られていた。
いいお店だった。