ちょこちょこ出てくる食べ物のシーンが好きだ
ソフィー・マルソーのファンかというとそうではないし、多分ソフィー・マルソーを見たのは、テレビで放映された映画「ラ・ブーム」だったような気がするくらいだが、この映画は評価がかなりイマイチなようだけれど、食べる視点からは私は面白いと思っている映画だ。
美味しいかどうか、料理を見せるために食べているわけでもなんでもないので、菓子パンとか、ダイナーのランチとか、テイクアウトの軽食とかパーティーの料理とか、スーパーマーケットやレストランの席、お店の従業員たちがワインとチーズとパンでお喋りする様子などがちょいちょい出てきて楽しい。海辺を歩きながら食べるピザもいい。ソフィー・マルソーの食べっぷりもいいなと思う。さすが実家のブラッスリーを手伝っていただけあって、食べ方もさまになっている。
犬たちと囲むテーブルは、ちょっぴり笑えなくもないが、とにかくイマイチついていないソフィー・マルソー演じるベルナデットはカフェのようなバーのようなチリジョーンズというお店でウェイトレスとして働く。せっせと働く姿というか、所作というか、カウンターを片付けつつグラスをのせていたお盆をちょいと拭く手つきなどは、実際に働いていたのだから慣れたものである。
「フレンズ」というアメリカテレビドラマに出ていたジェニファー・アニストンもカフェで働く姿に違和感がないなぁと感じることがあったけれど、彼女も下積みのときにはダイナーで働いていたようで雰囲気というか、何かしら端々に出るものなんだなと思う。
あるポーカー映画は、たくさんのプロポーカープレイヤーが出演しているが、これは、実際にそのシーンを観たお客さんがポーカーをする(アメリカはポーカーの人気が高いため多くの人がする)人の場合、エキストラの不慣れで不自然なアクションが分かってしまうのを嫌ったためだ。
今回のこのソフィー・マルソーの映画は、内容的にはどうであれ、食べ物や食べる場面がちょいちょいと出てくるし、私は好きである。「ラ・ブーム」より、この映画のソフィー・マルソーのほうが気に入った。