よく噛めば美味あり、体にいとよろし
体調の不調を感じたり、何かしらの病気になってから
「さて、自分というものは」と振り返るのは遅いのだけれど、なかなか人間、元気ハツラツのときに自分を観察してみるという気にはならないものだと思います。
季節の変わり目に衣替えをするように、食習慣を定期的に見直すのも健康管理のひとつで、なかなかの効用があるのでぜひ試してみてください。
私のオススメは、毎日でも出来ることで、簡単で、一銭もかからない。
それは、噛むこと!!噛むこと!!
よく言われていることですね「よく噛んで食べなさい」
最近、よく噛んで食べたことがありますか?例えば、おにぎり一口を何回噛んで飲みこんでいるか知っていますか?10~15回の人が多いかと思います。一度ご自分でやってみてください。いつも通り食べるパターンと、30回噛んんで食べるパターン。
唾液の多さ、飲み込むときの食材の滑らかさが明らかに違います。もちろん消化も違ってきます。
よく噛んで食べることは、満腹中枢を刺激して肥満防止にも役立ち、胃腸への負担も減り、唾液が多くでることでデンタルケアにもなるという、もうお得だらけなことばかりなんですが、なかなか出来ている人はいないようです。
速食い、お腹いっぱい食べる、このどちらかを食習慣にもっている人はBMIが高くなり、両方をもっている人は、さらにBMIが高くなる傾向にあるといわれています。
ゆっくり、よく噛んで食べ、腹7~8分目くらいが最も健康志向な食べ方であるわけですが、これが難しいという人も多いのです。不思議ですね、戦後からずっと様々な電化製品が出て便利になってきているはずです。たらいと洗濯板と石鹸で洗濯していたものが全自動になり、電子レンジで5分でおかずは出来る、ボタンひとつ押すだけで設定温度のお湯がお風呂に入る。
それなのに、ゆっくりと食事をすることが出来ない。
スマホの画面を素早くスクロールさせながら、食べたおにぎりを10回も噛まずに飲み込む、世の中では何が起こっているのか、自分は人にどう思われているのか、あの芸能人はどうなったか、あの炎上はどうなったか・・・知りたいことばかりだけれど、知ったところで翌日には忘れているようなことばかりに気をとられ、自分の体を作っている食べ物の食べ方にはまるで気をつけていない様子。
乱暴に食べて、酷使するのは自分の体なのに?
結果が返ってくるのも自分の体なのに?
気にするのは、全部外で起こっていることばかり。
自分を大事にする、健康に気を遣うということは一種の自己観察でもあります。よく噛んで食べるということは、自分の顎を動かして、いつもよりよく噛むだけで、時間は少しとりますが費用もかからず味覚、食感などを通しての自己観察にもなります。
喫茶喫飯(きっさきっぱん)
という言葉があります。お茶を飲むときは、お茶を飲むことに集中し、御飯を食べるときは食べることに集中する。丁寧にやるということは、集中してやるということでもあります。それは、美しさにも通じるものです。
丁寧に美しく飲み、丁寧に美しく食べ、丁寧に味わう。
これが、美味というものでもあるでしょう。
食べるものによっては、いつまで噛んで食べてんだよ!!という料理もありますから、そのあたりはよく選びつつ、一日一食でも、おやつだけでも、よく噛み、丁寧に味わうことから自分を大事にする食べ方やってみませんか??