異世界系の飯テロを洋食屋で
小説で、つまり文字だけで食の美味しさを描写するのはなかなか難しいとされているが、どうだろうか。
たとえば、池波正太郎の時代小説に出てくる食の場面は、美味しそうでもあるが、風情もそこに加味されている。その風情は、それなりに年齢を重ね、知識がなくては分からないものもあるのだが、時代小説を読む年齢層は大人が多いであろうから、初冬に老剣客が蕎麦をたぐり、熱燗を飲むというだけの場面で想像力が働き、ゴクリと唾を飲み込むほどに熱燗と蕎麦が恋しくなってしまうという展開になる。このあたりの感覚は、タピオカドリンクを飲むために行列している若者には分かりにくいであろう。
では、文字だけではなく、マンガやアニメであればどうか。これは大人にも子供にもわかりやすい。最近では、異世界系のグルメものがちょいちょい出ていて面白い。我々の世界の食べ物を異世界の住人が食べるという展開である。
有名どころはこれか
とにかく、ビールをジョッキで飲みたくなること間違いなし。ちなみに私は枝豆は温かいほうが好きである。
そしてこちら
異世界食堂
土曜日だけ異世界に扉がつながる「洋食のねこ屋」
トレジャーハンターからお姫様、商人はもちろん、侍、賢者、魔術師、リザードマンなど架空の生物の常連客までもが、自分のお気に入りの料理を食べにやってくるというのだから、「洋食のねこ屋」は、なかなかの繁盛店である。
異世界の各国から色んなバックボーンをもったお客がやってきて単に食べるだけでなく、ときに登場人物たちが繋がりをみせるのも楽しめる。年に数回の貴重なイベント用のメニューなどもちゃんと設定されていて、お店側からも面白く作られている。
来店するお客は、かなり大食漢が多いようなので、店主の仕込みはかなりハードであろうと想像できる。店主が腰を痛めたりしないようにとついリアルに思ってしまうのは、職業病というものか。