オーバーリアクションな甘味王子
外回りの営業という職は、大変なこともあるかわりに仕事がうまくはかどった場合など多少は時間ができる。多少手間取って遅くなった(もしくは遅くなるふうを装って)としても、直帰という技を持ってくることで、出先で楽しみを見つけることもできる。
どの程度をサボリというのかは別だが、サボリはいくつかプランがあるから楽しいのであって、行き当たりばったりの目の前に来た列車に乗るみたいな世界旅行規模の気ままでは、なかなか楽しめない。
「仕込み早めに終わったから、公園でひと休みしてくれば」 下働きの時にはこんな優しい言葉をかけられて、私も汗をふきふき外へ出かけたことがありますが、こういう状態ではサボリというのはなかなかできない。
「仕込み終わったから買い物してこい。帰りにコーヒーでも飲んでこいよ。 16時半までには帰ってこいよ」時計を見たら15時45分。買い物は10分で済むし、往復10分となったら・・・喫茶店Aのコーラフロートがいけるか、いやB店のソフトクリームでも捨てがたい・・・などと食べたいものと候補のお店をピックアップしながら、時間を足したり引いたり。与えられた時間内で、十分に楽しめるプランを組むのもサボリの楽しさであり、それができたら、仕事にも張り合いが出ると、思う(笑)。
そのような計画的サボリを十分に楽しんでいる男が一人。
この作品、甘味の美味しい老舗やこだわりのお店が出てくるのだけど、お店の成り立ちや使用している材料、ときには製法にまで触れられていて、甘味愛が感じられる。
その甘味愛を尾上松也の暑苦しい顔芸と、CGを使ったヘンテコな演出がさらに盛り上げるていると感じるかどうかは個人差があるところなのでなんとも言えないが、何話か見たら慣れてくるというのが私の感想。
尾上松也の顔芸もアップも多いし、わざわざこんなことさせなくてもっていう演出もあるから、尾上松也ファンにもオススメです。
サボリーマンといえばもう一人いたっけ
甘味にせよ、銭湯の後の一杯にせよ、ちょっとした罪悪感や緊張感、これがさらにサボリを奥深い味わいにする隠し味なのかも。とはいえ、スキマ時間を自分を高めることに使っているのは間違いない。