やっきになってやるものではない
スーパーの調味料のコーナーに寄ったときに、あれこれお醤油のボトルをてにとっては、ボトルの後ろに表示されている栄養成分のを真剣にながめていらっしゃる方がいました。手に取るボトルは減塩と書かれているものばかりでしたが、なかなか醤油の味比べはできるものではありません。しかし、少しでも美味しく減塩したい、させたいと思うのが人情。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」を見ると、日本人の塩分目標摂取量は男女ともに3グラム前後オーバーしています。たかが3グラムですが、1年で約1キロ過剰に摂取していることになります。塩分の摂りすぎは高血圧、骨粗しょう症などの原因にもなり、腎臓や胃腸への負担も大きいものです。
とりあえず減らしてみる
体に負担をかける過剰な塩分を減らすには、加工食品を減らすことです。豆腐や納豆といった加工過程の少ないもの以外、味付けの濃い加工品をなるべく減らしていくのが第一です。加工品は添加物も気になりますからね。それと同時に、濃い味に慣れてしまっているなら、家庭での食事の味付けを少しずつでも薄味にシフトしていくことです。
味が薄いのは、出汁を濃い目にとること(落語の時蕎麦でお客が言うセリフ「だしをおごったなぁ」というのは、かつおぶしをケチらずに出汁をとってあるねということ)、スパイスをきかせることなで補うことができますが、舌が薄味になじんでくれるのが一番。 薄味に慣れるためには、濃い味付けのものを避けるのはもちろんですが、食べ合わせにも気をつけたいところ。 酒宴などでは、どうしても塩分多めになりがちですから、ナトリウムの排出を助けるカリウムやカルシウムのある食材と組み合わせたいので、ホウレン草やアボカド、ひじき、納豆などはオススメです。
カリウムは野菜と果物に多く含まれるので、塩分多めかなと思う食事の時は、デザートに果物をとり入れるといいでしょう。バナナがとても重宝します。
外食時は、なるべく減塩を意識して、塩分を排出する食材をセットでとることをこころがけていきましょう。
そして、家庭では、できるだけ天然塩をつかうことをオススメします。塩化ナトリウムの割合が減って、微量のミネラルをその分含んでいてバランスがとれています。
手軽に減塩できそうな、ナトリウムを減らした低ナトリウム塩は、塩化カリウムなどを混ぜていますので、食事治療をしている方や腎臓病の方には使用上の注意喚起がされていますので、よく気をつけてください。
減塩はやっきになってやるものではありません。
減塩しすぎると、ミネラル不足にもなります。塩分はミネラルバランスがとれている天然塩からとることにして、塩化ナトリウムだけの摂りすぎにならないようにすることが大事で、どうしても偏ってしまったときには、それを排出する食べあわせを心掛けましょうということです。