パワーは朝食にあり!?
「アナタ、イツモネテル!!アサゴハン、シッカリタベナサイ!」
30年以上前、その中国語の先生は、午前中から居眠りしている生徒を叱るときに、必ず朝食を引き合いにだしてきた。十代はいつも眠いものだし、退屈な授業は眠気を誘うのだから仕方ないところもあるが、 先生は、眠る=やる気がない、元気がないと受け取り、元気がないことは、栄養が行き届いていないことが理由だという考えだった。その当時先生は60代であったろうか。常にパワフルな方で、学ぶことに貪欲ではない生徒たちに怒りを感じるとともに、何故だという疑問をもっていただろう。
もちろんやる気がないことがすべて朝食のせいというわけでもないが、先生からすれば、朝食を抜いて空腹のままで学校に来たあげく、大事な授業中に寝て、学ぶ機会を無駄にすることが意味不明であったかもしれない。
中国革命の父、孫文が「我が国は文明の近代化では遅れをとっているかもしれんが、飲食、調理法に関しては、欧米が及ぶところではない」と言ったように中国の食についての長い歴史は、国民の食への情熱となっていたはずで、食べようとすれば食べられる朝食を抜くなんて信じられないと孫文も思うだろうか、時が過ぎ、豊かになり、飽食になった現在の民を孫文はどう思うだろうか・・・。
私はどちらかといえば朝食を食べない派に近く、食べるとしても、食事というよりお茶と何かつまむ程度だが、たまに急に朝からしっかり食べたくなるときがある。
そんなとき、休日ならお粥。残っている野菜を細かく切って一緒にいれてもいいし、野菜だけ先に炒めて中華風に味をつけて、お粥にのせて食べてもいい。時間に余裕があれば散歩がてら、地元のパン屋さんに出かけて焼き立てのペストリーや食パンを買って飲み物を持って公園で。
朝食のために出かけるというのは、なかなか刺激になるもので、近くにあるなら、カフェでパンケーキやファミレスで朝定食もいいし、お気に入りの立ち食い蕎麦屋があるならそこへ。 衝動的に卸売市場の食堂へ出かけていくのも楽しい。帰りが猛烈に眠くなるので要注意だが、朝食を豪華に食べるという行為はテンションがあがる。パワーブレックファストにはぴったり!
朝食はその人の体質や習慣によって食べない方が調子がいいなら食べなくてもいいものだと私は思っているけれど、朝食を食べる人は朝食を変えるだけで、気分が変わり、いつもと違う視点や感じ方をもてるのも確かである。それには大きな行動力はいらない。
少しの行動力で、固定された習慣や感覚を変化させたいなら、食事の内容と場所を変えてみるといいかもしれない、それには、朝食がうってつけだ。
登場したお店の情報も載っていて楽しくよめる。