料理のリクエストにもタイミングってものがあります
閉店まで2時間を切った商業施設の魚屋さんに行くと、対面販売は終了しており、お客さんの集まるところは、割引きシールが貼られている寿司コーナーと売れ残っている切り身のパックである。切り身のパックも時に3~5割引きになることがあるが、今回はカレイが多いせいか人気がないが、私はアサリのむき身をみつけてゲット。あさり御飯に決定してご機嫌で帰ろうと思ったら、隣のカップルからちょいと大きな声が。
「バター焼き?またバター焼き?煮魚とか食べたいんだけど」と言い捨てて男性のほうはどこかへ行ってしまった。
私は、真剣な表情で食品を見ているせいか、時々「食べ方」や「いい食品」を聞かれることがあるが、聞かれるから答えるだけで、このバター焼きを連発してしまったであろう気の毒な女性に急ぎメモ書きを渡し、簡単な煮魚のレシピを教えるのは変態扱いになるので、刺身コーナーに差しかかろうとしている男性の背中に「刺身が食べたくなぁれ」という呪文を唱えるのが精いっぱいであった。
煮魚美味しいよ、確かにね。でも、バター焼きを得意とする彼女に急に希望を言ったりしたら動揺するんじゃないか、クックパッドを見たりレシピ本を見たり、下調べをする必要があるのではないか・・・という配慮はあったほうがいいとは思う。
かつて、一緒に働いていた若者が彼女が出来たと嬉しそうにしていたので、 「何か作ってあげると言われたら、彼女の得意料理からお願いしていき、自分の好物は、事前に話しに混ぜて伝えよ。何かつくってあげると言われないうちに手料理食べたいとか言い出すのは、ひかえるべし」と伝授したことがあるが、後から若者の好物料理を彼女は作ったことがなかったらしく、何度か練習して本番に挑んだと言われたそうだ。その料理が美味しかっただけでなく、その素直な彼女の気立ての良さも知れてさらに好きになったようで、私は感謝され、若者と彼女は仲がさらに深まりという展開であった。
料理にせよ人間関係にせよ、気遣い、心配りがあれば角が立った味わいにならなくて済むものなのです。
*オススメ食材*
【オードブル、サラダ、ちょいツマにもピッタリ便利】
ドライいちじくはおやつがわりに、小腹減ったときにとなかなか役に立ってくれますよ。