老舗との出会い多し
私が祖父と暮らしていたころは、二世帯というやつで台所は基本的に祖母の領域であった。祖父は職人であり、若いころの時間の多くを京都での修行に使ったようで、そのせいか、我が家は基本的に淡い味付けのものが多かった。
祖父は「男子はしっかり厨房に入るべし」という考えの人で、お茶、料理は実に美味しいものを食べさせてくれた。自分でてくてく買い物に遠くまで行き、魚屋、八百屋、菓子屋、果物屋、米屋、お茶屋、豆腐屋、酒屋とそれぞれに寄るルートをもっていた。
スーパーもあったが、そこにはあまり寄らない。なかなかに不便であるし面倒くさいのだが、丁寧な暮らしとかそういうものではなく、それが祖父の価値観であり、それがあたり前だったようだ。
「美味しいもん食べたいやろ」ただ、そう言っていた。あくなき食いしん坊だったのかもしれない(笑)。
この作品は、その「ちょっぴり面倒な買い物を美味しさのために」というのがぴったりくるもので、場所は京都。老舗が多く登場します。
ちょこっと京都に住んでみた
こちらには、各エピソードにでたお店情報もあり。
テレビ大阪開局40周年「ちょこっと京都に住んでみた。」|TVO テレビ大阪 (tv-osaka.co.jp)
来年にはDVDも発売されるようで、なかなかの人気作品。
主人公の大伯父を演じる近藤正臣さんは山科の御出身。御年80才。
若いころから端正な甘いマスクで素晴らしい俳優さんですが、私の記憶から離れないのは、カエルの着ぐるみを着てキンチョーリキッドのCMをしていた姿(笑)。しかし、あの有名なミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」日本の初演でアルバン役を演じたり、とにかく幅広い活躍をされてきています。
「ちょこっと京都に住んでみた」の年末スペシャルドラマの方は、アマゾンプライムでも観ることができますよ!
作品の食卓にならぶ、わざわざ買いにいく美味しいものたちをみていると、 ついついこちらもお揚げさんでもあぶって飲みたくなる作品です。