キャラによって食べるお店は違いそう
グレーや黒のコートにややくたびれた靴を履いて電柱の陰に立つ男。駆け寄ってきた同僚が紙袋を渡して出てきたものは、アンパンと牛乳。これが昭和な刑事(デカ)の張り込み飯という印象で、イケメンの刑事はリンゴをかじったりするシーンはあっても、その他の刑事のご飯は、カップラーメンかカレーパンくらいで、デスクで天丼かかつ丼を食べていればいいほうだったが、そういうイメージを壊したのはこちらのお二人。
とにかく職責なんか感じさせない軽さは、このドラマで二人が着ている冬物のロングコートの重さとは反比例だ。
尾行や 張り込みといっていっても、電柱の陰なんかではやらない。レストランでシャンパンやワインを飲んで、シャンパンのコルクを抜く音にすかさず拳銃を取り出して、犯人の「撃てるもんなら撃ってみろ!」の声に、人質のこともお構いなく、背後に並ぶ高級ワインのボトルも気にせず、この二人は撃ちまくる。うつむいて、暗い顔でアンパンなんか食べないのだ。
二人の刑事の行きつけのレストランは、YCC(横浜クルージングクラブ)のハーバービュー・レストランである。洒落た店内は明るくて、窓から見える景色もとてもいい。事件解決後に一服とか、ちょいとした食事などの場面である。
「あぶない刑事」は横浜が舞台なだけに、二人が食べる場面は多くないにしても、色々な異国情緒あふれた洒落たお店が出てきたりする。もちろん、ベイブリッジがなかったりするくらい昔のドラマなので、出てきたお店も閉店や取り壊しになっていたり、当時とは違う業態になっていたりもするが、ちらりと出てくるお店は、どれもいい雰囲気なのだ。
中華街はもちろん、元町霧笛楼、北欧料理のレストランスカンディヤ
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S C A N D I A,�X�J���f�B��,���l���X�g�����X�J���f�B�� (scandia-yokohama.jp)
Bar StarDust (bar-stardust.com)
有名なバー・スターダストやポールスターも有名だ。ポールスターは、松田優作の探偵物語(ドラマ)にも登場。
サングラスに洒落たレストランにレトロでエキゾチックな酒場に街。中華街の裏路地で犯人を追うシーンなんかもうね、お店の裏から漂うニラの匂いがしてきそうなんだよね。テレビで観ていた10代半ばの頃は想像しかしなかったけれど、数年後にはその景色を散歩したり通勤したりがあたり前になっていって、ニラではなくシュウマイの匂いが正しいということが判明(笑)。
「太陽にほえろ」でレストランが似合うのはの石原裕次郎くらいだったろうか。ゴリさんとか山さんは、やっぱりこう居酒屋の縄のれんが似合う感じでビール、日本酒、チューハイとかお湯割りとか。石原裕次郎のボスだってサングラスだけど、犯人を追って走ったりはしないし、サングラス渋すぎて、なんかこう重いのである。お酒はブランデーだろうし。
ただ、給料日前にピーピーいってるタカとユウジと違って、ボスの張り込み飯は、近所のレストランからビーフシチューの出前をもってこさせるような迫力はある。マッハで配達してくれそうな部下テキサスもいたしね。もちろん、テキサスの張り込み飯はリポビタンだろう。