お酒はないけど癒しと優しさはある
体力的にというわけでなく、なんかこう精神的にゆっくりと削られているような、ため息ばかり出て下ばかりうつむいてしまうような疲れが絡みついてとれないとき、なるべく早く帰ってお風呂とお布団でゆっくりしようとするタイプとなんとなくお家に帰りたくないタイプに分かれると思う。
いや、疲れているなら迷わず自宅でゆっくりでしょうと思わなくもないが、人間というのはそんなに単純にできているものではない。なにか少しでも心の負荷をどこかに置いていきたいという人も多いのだ。
これにお酒がからむと、一杯飲んで
「酒は憂いの玉箒」というリセットにもなるのだが、度重なると体にもよくないことになる。
ここに出てくるスナックは、お酒を置いてないスナックである。
なんとなく疲れ、傷ついた心を癒したい人がフラリと入りたくなるスナック。
スナック キズツキ
居心地がよく落ち着くお店のようだが、見れば店内には昭和レトロがちらほら。
ピンクの公衆電話に
ルーレット式のおみくじ器
そしてSANYOのダブルラジカセ
![](https://www.bing.com/th?id=OIP.FpprKIbIqU5pkWoMnZ4gmwHaFj&w=332&h=186&c=3&pid=5.1&rs=1)
テレビ音声も聞けたよ!!!!
このスナックのカラオケは・・・生演奏で、作詞は自分(笑)
不満やうっ憤、抑圧されていたものを吐き出すのがここのカラオケである。時には弾き語り、時にはエアギター、時には創作朗読まで。
お客さんに合わせて美味しい料理も出るし、色々とママさんが楽しませ、癒してくれる。
お客さんたちはそれぞれ、疲れる社会でお互い知らずにすれ違い、ささやかに関係している人々だ。
だが、現実の社会でも我々はささやかに関係している。
ゆるやかな波紋のように、少しずつ我々は影響し合って生きている。
それならば出来るだけ、心無い声でなく、温かい声を自分にも他者にもかけて生きていきたい。
このスナックの店主トウコのように。
今日もおつかれさん
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