落語好きにもたまらない作品
とにかく、楽しい映画である。すこぶるお酒もすすみ、笑って飲める作品ではベスト10に入るのではないだろうか。
出演者がこれまた豪華で、三遊亭圓生、柳家小さん、二代目桂伸治(十代目文治)、入舟亭扇橋、橘つやさんも!!
さて、いかりや長介演じる二つ目のまま真打になかなかなれない落語家、 いかり亭長楽の師匠役が、圓生。神棚を背に火鉢のふちに手を置いて、いかりやに説教をすると、その夜、大衆酒場でくだを巻きながらコップ酒をいかりやが飲むシーンをみれば、味の濃いタレのついた焼きトンか焼き鳥がきっと食べたくなるに違いない。
春川ますみと高木ブーの夫婦が焼く「ホカホカ焼きの今川焼」はどんなものなのかわからないけれど、見た目は少々小さめかな。
いかりやの弟子になった加藤茶と御飯を食べるシーンでは、小ぶりのお釜が出てくる。お釜からしゃもじで大ぶりのご飯茶わんに白いご飯が盛られるのをみると、おまんまだなと思いますね。
荒井注といかりやが大衆酒場で燗酒を小ぶりの徳利で飲みながら話しているのもとてもいい。
この作品は、煎り豆に焼きトン、おでんあたりでコップ酒を飲んで、お茶漬けでシメにしたいけれど、落語好きな人には、ちょいちょい出てて来る末広亭の場面がたまらないんじゃないだろうか。後半に出てくる末広亭の看板ったら、もうね、これだけで十分な肴で、徳利が二、三本空くに違いない。