大きな通りを一本入った裏道に沿ってコンビニや小さな商店、小さなマンション、病院などが建ち並ぶ先に戸建ての家があり、駐車場兼お庭のような場所に小さなボックスカーが止まっている。
この車からモクモクと煙があがっているのは、中で焼き鳥と焼きとんを焼いて売っているからだ。
夕方になる前には、尋常じゃない煙に中で焼いている人も少しむせたりしているのだが、それは、窓際に貼り付けられた何枚もの四角い付箋のせいだ。
注文しようとしたら
『ごめんなさい、予約された順に焼くので、今頼まれたもののお渡しは1時間くらい後になります』
煙の中で申し訳なさそうに言われた。
この近辺の最寄り駅までの間にも焼き鳥、焼きとんを扱うようなお店はなく、この場所からもう一本道を入ると住宅地である。
この焼き鳥ボックスカーから徒歩で3分のところに大きなスーパーがあるが、お客様の多くがフラリと寄るのではなく、スーパーで買い物をしていく前や最寄り駅の近くで用事を済ませる前に焼き鳥、焼きとんの予約をしていく。
常連さんの多くは、住宅地に住んでいる人であろう。何時ごろに取りにくるからと用事を済ませての帰り時間に合わせて焼いてもらっておけば、温かいままで食卓にだせるのだから便利だ。
国産の肉をつかい、商品は一律の値段、たれや塩へのこだわりもお客さんに分かりやすいように書かれている。
コロナ禍の前からこの焼き鳥ボックスカーは営業しているのだが、テイクアウト専門で場所も良く、なかなかの美味しさで人気は続いている。
焼き魚ボックスカーから数分の駅前の飲食店は、
テイクアウトもやってはいるが、あまりやる気がないのか、数駅先の我が家にもテイクアウト用のチラシが入っていたが、
電話予約OKと書いていながら営業時間が書かれていなかったり、お店のメニューをそのまま刷ってチラシにしたはいいが、問い合わせると、
『それはテイクアウトやってません』となったりした。
攻めあぐねている感じではあるが、かと言って全力も傾けないという姿勢であり、その通りの結果は出ている。
最近は、テイクアウト限定のメニューを作っていたお店も秋に入る頃から、全メニューテイクアウト可能としたりして
『お家ごはん』の役に立つ方向へシフトしている。
居酒屋さんの天ぷら盛り合わせ、刺し盛り、焼き魚などは、住宅地が近ければ惣菜店のような使い方をしてもらえるテイクアウトメニューだ。
人気のお店はテイクアウトの予約数を限定しないといけないくらいになっている。
テイクアウトメニューの〇〇だけをテイクアウトしよう!!と決めてくるお客さんもいるが、
大きなほっけを時間指定で焼いてもらって持ち帰る。焼き上がるまで、ビールを一杯。
あっ、ついでに子供たちにプライドポテトを大盛りで、あと和風ピザもね!!
と、このようにメインは決まっていて、後は気になったものを頼もうという人もいる。
店内メニューの多くがテイクアウト可能なあるイタリアンのお店では、前菜、メインともに種類や量も加減してくれるので、サラダやチーズを別に用意すればお家でコースが楽しめると人気だ。
テイクアウトの組み合わせや楽しみ方も広がり、馴染みのテイクアウトのお店が出来つつある人が増えているのも確かで、今後もどのようにテイクアウトに対応していくかは大きな鍵になるだろうし、
テイクアウトからのお客様が今後にも繋がるようなお店側の対応も大事なポイントになってくる。
改善できるところやアピールが足りないところはないか、今一度
チェックしておきたい。