ストレス解消で食べてはいけない
夏目漱石は、脂っこいものが好きでかつ甘党だったようだ。
「私は濃厚なものが好きだ。中華料理と西洋料理がいい。日本料理は食べたいとは思わない」と随筆にも書かれていた。
「菓子は食べるが、あれば食べるくらいでわざわざ買って食べたいというほどではない」とも書かれているが、これは過少報告な気がする。
洋菓子が好きで、来客の手土産にそれがあれば独り占めしていたようだし、では、和菓子は食べないのかというと、これもかなり食べたようなので、大の甘党ということになる。
西洋料理や洋菓子にハマるきっかけはイギリス留学だったのだろうが、脂っこいものプラス甘味(糖質)というのは、習慣のようになるとなかなかやめられない。
朝食のパンには、たっぷりのバターを塗り、さらに砂糖をかけたもの。これに砂糖たっぷりの紅茶がついたというのだから、糠漬けと茶漬けなどでは食べた気はしないだろう。
もちろんこんな調子だから糖尿病になってしまう。
胃潰瘍になってもこの甘党ぶりを抑えられなかったようだし、急に脂っこいものを食べるのをやめたとも思えないので、食生活も持病の悪化に輪をかけたことになるのであろう。
私も一時期、胃の調子の痛みが治まらず検査をしたが、医師と色々と話して食生活の見直しをした。
〇辛いものに大して強くないのに、ストレスがたまると辛いものを食べていたがそれをやめた。
〇夕食から就寝まではなるべく時間をあける
〇しっかり寝ることにした
〇しっかり噛むことにした
○胃腸が回復して痛みが出なくなるまで、甘いものをやめた
食生活以外は、
〇ストレスは必ずあるけれど、深く考え込まないよう負担になりすぎないよう、自分なりの思考や処し方を探した。
〇適度な運動
特に辛いものをやめたのは効果があった。刺激物はストレス解消とセットにするとクセになってついつい食べてしまっていたけれど、ストレスの原因そのものが解消されるわけではないので、ストレス→刺激物→胃に負担のバッドループを繰り返していただけだった。
検査では、すでに潰瘍が自然に治った痕もあったと言われた。
痛みが出ない場合もあるわけで、潰瘍ができているのを知らずに自ら負担をかけることになるかもしれない【ストレス解消と飲食】はセットにしないことに決めて、今は、調子のいい時を選んで辛いものを食べるようにしている。美味しさが違ってくるし、もちろん胃が痛くなることはない。
イライラしながら食べる、またはイライラの発散のために刺激物をとることは、胃腸への負担が大きい。これは甘味でも同じことだろうと思う。
ただ、我慢しすぎるのもストレスなので、甘党の人は、優しい甘さのものや、果物を食べるといいでしょう。
祖母は「イライラした時には煮物さん(根菜の煮物)が一番だ」と言っていましたが、なるほど、煮物を食べるとホッとする感があります。自然の甘みを活かした煮物をしっかり噛んでゆっくり食べるのはオススメですよ~。