懐かしい貴ノ花の食卓を見て
大相撲の初場所はとても面白かった。三月場所も楽しめそうだ。
強い関取を応援するのも楽しいが、どうにか無事に勝ち越してもらえないかという番付の力士を応援するのも力が入る。
手元にある「わが家の夕めし」を見ると、1970年(昭和45年)10月に当時、まだハタチの小結だった初代貴ノ花の食卓の様子が載っている。角界のプリンスといわれたイケメンぶりで、力士の中では細身のほうながら足腰の強さは凄まじく大関になり相撲人気を長く支えた。
「ワシは胃腸が弱いから分量はたくさん食えない」と本の中にもあるように、ごはんをたくさん食べるタイプではなかったらしく、食べる努力はしても、かえって胃腸をこわすよりは適量でという食事内容。
しかし、初代貴ノ花はヘビースモーカーであったため、そのために胃腸が弱かったのではないかと私は思っている。同じく喫煙していた、後に横綱になる千代の富士に禁煙をすすめたのは彼であるのだが、ご自身も早くに禁煙しておけば・・・もしかしたら横綱になり、もっと長生きもされたのではないかと考えずにはいられない。
力士といえば「ちゃんこ」
「ちゃんこ」といえば鍋と言いたくなるが、鍋に限らず、力士が食べる食事は内容がどのようなものでも「ちゃんこ」である。そう、ハンバーグでもロコモコでもフィッシュアンドチップスでも「ちゃんこ」。
しかし、やはり王道は「ちゃんこ鍋」。稽古の後に黙々と食べる力士をみていると、フードファイターのように食べる力士は少ないというか・・・気合いが入るわけでもなく、急いでもないけど、食べ物はサクサクとすぐなくなる、ゆっくり長く食べるという記憶がある。古典落語の「阿武松」な感じで、黙々と食べるが、食べるぞ~みたいな気合いは感じられない。
力士の食事といえば漫画「ああ、播磨灘」を思い出す。
丼でグビリ、グビリとお酒を飲んで、ちゃんこ鍋に入っている魚の小骨を床に吹いて出すと、カカッと床に骨が突き刺さるというようなシーンはもちろん漫画だからなんだけど、その食べっぷりが色々凄まじく(笑)。でも、播磨灘の「ごっさんです!」は料亭の板前もひれ伏すほどにカッコイイものなのだ。
もうすぐ春がやってくるけど、まだまだ冷え込む日も多いので、そんな時には鶏や野菜の旨味を出汁にした美味しい鍋を食べて温まるのもいいもの。
鶏ガラとたっぷりの野菜となれば、この時期はキャベツ、ブロッコリーが私の好み。ダイエットしてるなら、大きくふくらむハンペンなども出汁を吸って美味しくなるのでオススメ。
温まって、元気にごっさんです!!